疫病退治の庚申様

「あまびえ」という神様が、コロナ禍で有名になりました。篠原の村はずれの庚申塔は疫病退治の神様「青面金剛明王(しょめんこんごうみょうおう)」の立派な像が掘られています。足下には「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿も掘られています。散歩がてらお参りをして写真を撮り、そのいわれを調べました。
人間の体の中には「三尸(さんし)の虫」という虫がいて、60日に一度くる庚申(カノエサル)の日の夜、人が寝ている間に体から抜け出して天帝にその人の罪過を告げに行そうです。罪状に応じて人の寿命を縮めるというので、庚申の夜に虫が体から抜け出さないように講中の人々が集まって、飲食や談笑しながら寝ずに夜を明かしたそうです。この庚申講が現在でも行われている地方もあるそうです。「庚申さん」と呼ばれている仏さまは「青面金剛明王」です。もともとは疫病などを撃退する仏さまでしたが、三尸の虫を追い払う力があるとして、奉ってお参りするようになったそうです。また猿は「青面金剛明王」の使いとされ、「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿は、「自分たちの罪状を見聞きしたり、天帝に告げないで欲しい」との願望を表現したものだそうです。
コロナウィルスでの緊急事態では、ネット上にはデマや感染者へのヘイト発言、医療関係者への偏見等が散見され、日本人の民度が問題になっています。「見ざる・聞かざる・言わざる」が自分を守る時もありますが、こんな時だから自分の目で見て、本当のことを聞いて、そして正しいことを発信することが必要ではないかとおもいます。